他店で落とせなかった染みの着物クリーニング事例
古い染みや落ちにくい汚れなどで、他店では取れなかったり、クリーニングを断られてしまい、なんとかならないかと私共に持ち込まれてクリーニングさせていただいた事例をご紹介します。
事例4. 町のクリーニング店に取れないと断られた小紋着物
自宅の箪笥を整理中に見つけたそうです。着物全体が変色したシミだらけの小紋着物です。色合いと絵柄を気に入っていたので大変ショックだったそうです。すぐに近くのクリーニング店に持ち込んだそうですが、『こんなに変色したシミがたくさんあるととても取り切れない』と断られたそうです。仕方なく、持ち帰り、今度はインターネットで検索、何軒か問い合わせして、私どものところにやってき ました。
着物全体が変色したカビ、汗、ここまでになると後は何のシミなのか分かりません。着物を解いて、まずは洗い張りをして、それでも残ったシミは別の方法で染み抜きをしました。そして、仕立ての工夫も使っています。ビフォーアフターを見て頂くと絵柄の位置が違います。これは取り切れないシミは縫い代に隠し、綺麗にシミが取れた箇所を見える所に使ったからです。裏地の胴裏のシミも酷く、裏地は新品に取り替え、八掛けは洗い張りしたのをそのまま使用して、お客様の今のサイズに伊藤和裁で仕立て直しま した。
事例3. 染み抜きで生地を傷めた場合のクリーニング
今回の他店では落とせなかったシミは、非常に珍しいケースです。この男物着物をクリーニングでお預かりしました。ドライクリーニングしてみるとビフォーの写真、右上辺り（家紋【丸に梅鉢】の左斜め上辺り）のシミが白っぽく浮かび上ってきました。以前に他店の着物クリーニング専門店で染み抜きをしたときに生地を傷めたのではないでしょうか。それを直すために使用した溶剤が油性系だった為、今回、ドライクリーニングをした事によって傷ついた生地の部分が油性のクリーニング溶剤と反応してシミとして再び表れました。まず、以前、生地を直した時の使った溶剤を綺麗に落とし、それから、黒色を地直し筆で、少しづつ色を塗り、色を合わせ地直しします。今回は水溶性の染料を使用しましたので、次回からはクリーニングしても、この部分は白く浮かび上ってきません。
事例2. 祝い着の古い食べ物のクリーニング
ご本人の娘様に赤ちゃんが生まれ、お宮参りに着せようとタンスから娘様に着せた祝い着を出してみたところ、大きな茶色いシミが付いていました。すぐに近くのクリーニング店にクリーニングをお願いしたのですが『シミが古くて取れません。』と断られました。インターネットで調べて、私共の処に送られてきたクリーニング品です。祝い着の上前・下前の衿と両胸辺りに変色した古い飲み物のシミがあります。このシミのクリーニング工程は、まず、祝い着全体をドライクリーニングして、この着物に付着している汚れやシミなどは取り、次に水溶性のシミを洗剤と水を使い取ります。そして、酵素クリーニングでたんぱく質を取り除きましたが、今回はまだシミが残っていますので、漂白剤を使いシミを抜きました。手間と時間は掛かりましたが、アフターの写真をして頂ければ、古いシミも取れて、祝い着全体もクリーニングしたので生地に光沢が出て、新品の様に着物が生まれ変わりました。
事例1. 着物をリフォームしたワンピースクリーニング
着物を解いてリフォームしたワンピースです。お客様のお気に入りの洋服です。着用する為にドレッサーから出しみたら、シミが付いていました。町のクリーニング店にこの洋服のクリーニングを出したところ、『染み抜き不可、このシミは取れません。』と返品されてしまいました。インターネットでいろいろとこの洋服のシミを取ってくれそうなところを探して私共の処に相談に来られました。シミを見てみますと変色しています。町のクリーニング店で少し染み抜きをした形跡があります。このクリーニング品はたんぱく質を取り除かないとこのシミは取れません。酵素でたんぱく質をクリーニングして、分解し取りました。シミを落とすのに少し時間と手間は掛かりましたが、仕上げも行ない、この洋服をクリーニングしました。
