着物についた食べこぼしのクリーニング事例
食べこぼしによる油汚れや着色についてクリーニングさせていただいた事例をご紹介します。
事例21. 醤油油の染み抜きクリーニング
白系の紬着物に醤油のシミが付いています。よく目立ちますので、シミがつく場所によっては発見しやすいです。
シミの中でも醤油のシミは厄介なシミに入ります。発見が遅れると完全に取る事が出来なくなります。
今回はシミの発見が早く、醤油の色素も紬には付かず綺麗に取ることが出来ました。
事例20. デザートのシミ
剣先や衿元に食べこぼしのシミが付きます。シミが付かない様にハンカチなどを置いて食事をするのですが、やはりシミが付く時は写真の様なシミ跡になります。
シミの付き具合から、デザートのフルーツの様です。生地はサラッとした感じなのですが、指先で触ってみるとベタベタします。シミがついて、あまり時間が経っていないことも分かりました。 染み抜き作業もそんなに時間が掛からず落とす事が出来ました
事例19. カレーのシミ
帯にカレーのシミが付いたと持ち込まれました。シミがついてすぐだったので、あまりカレーの色素も帯に付着しておらず、割とスムーズに染み抜きする事が出来ました。帯は着物と違って生地の厚みがあるので、シミが浸透し過ぎると厄介になる場合があります。
今回のお客様はリピーター様だったので、私どものアドバイスを覚えておられたので、料金も安く、納期も早く仕上がりました。
事例18. 中華料理の油のシミ
着物でお出掛け、神戸中華街でお食事です。料理の油のシミと思います。ドロッとした動物性の油ではなく、サラッとした植物性の油です。植物性の油は生地で浸透が早く、もし、他の場所にこのシミが触れてもシミは移り難いです。食べこぼしの油のシミの染み抜きをしました。
事例17. 知らずについた食べこぼしの染み抜き
目に留まる、よほどの大きいシミか、着物色目と対称の色のシミなどは、お客様が見つけることが出来ますが、食べ物のシミなどは、なかなか見つけ難いものです。今回のこの付下げのシミも着物クリーニングと染み抜きで預かり、私どもが染み抜き検反中にチェックして見つけました。お客様に連絡、染み抜きの見積価格を伝えて、了解を頂き染み抜きをしました。
事例16. 黒留袖のクリーニング
娘さまの結婚披露宴に着用した黒留袖です。いつ、どこで、付いたものかも分からなかったようです。
その時に気付かなかったのが幸いしました。ハンカチや水分の含んだおしぼりで、このシミを擦ってはいませんでした。当分は着用する機会が無いので、着物クリーニングをして、留袖を乾かし、その後、この食べ物の汚れをシミ抜きしました。食べ物のシミの成分には、水溶性、油性とありますので、ひとつずつ、丁寧に取り除きました。
事例15. あんかけの染み抜きクリーニング
絽の付下げの袖に沢山のシミが付いています。このシミ、生地に浸透しているようには見えません。生地の上に張り付いているように見えます。片栗粉を使ったとろみのあるドロッと食べ物のシミです。知らずに浸けられてしまったようですね。この様に生地の上に張り付いたようなシミは指先でほぐしてあげます。ほぐす事によって、染み抜きクリーニングをする際に生地への負担を減らします。絽の着物のように生地が薄いものは尚更です。ほぐした後はシミの成分が分かっていても、基本通りに石油系の溶剤を使って、まずは手早く!クリーニングを行ないます。1度2度ほど、繰り返しクリーニングをし、生地を少し乾かし、次に水と洗剤を使って水溶性クリーニングでシミの成分を取り除きます。そして、シミが取れれば、アイロンを使ってプレスクリーニングをして、出来上がりです。
事例14. 中華料理のクリーニング
鳥取県のお客様です。親戚の結婚式に着る黒留袖に染みが付いているので、クリーニングのお問い合わせ、ご依頼を受けました。前回にこの留袖を着用された時の染みです。中華料理に出されたとろみのある片栗粉の入った餡かけの様です。見た目にも分かりますが、生地の上に張り付いているように染みが付いています。まだ、比較的新しい染みの様でした。少し指先で触ってこの染みをほぐしてからクリーニング作業を行いました。まず、最初にクリーニングソープと石油系のクリーニング液とブラシで洗います。油性の成分を取り除き、次に水と洗剤を使って水溶性の成分を取り除きました。生地が黒く濃い色なので、生地を傷めない様に力を加減して、染み抜きクリーニングをしました。そして、この留袖を着用後に今度は着物全体のクリーニングのご依頼を頂きました。
事例13. お好み焼きソースのクリーニング
付下げの袖にお好み焼きのソースのシミが付いています。状態を観察しますと最近の汚れのようです。時間経過が少なければ綺麗にクリーニングする事が出来ます。ソースの場合は水溶性扱いなので、水と洗剤を使って落とす事になるのですが、100%水分ではありません。油分も入っています。なので、まずは油性のシミを取ります。石油系の溶剤とクリーニングソープ、ブラシを使い油分を洗い落とします。少し多い目にソースが生地に付いているので、もう一度、油性の溶剤で染み抜きをしました。そして、生地に残ったシミは水溶性の成分です。水と洗剤と使って、少しずつ生地が擦れないように、傷めない様に、クリーニング工程を繰り返しながら取ります。取り終えたら、生地をたくさん触りましたので、水と平コテを使って生地を綺麗に整えます。
事例12. ミートソースのクリーニング
帯のクリーニングと染み抜きの依頼を受けました。帯をドライクリーニングします。石油系のクリーニング溶剤とクリーニングソープを使い洗います。その後、天日で陰干しの自然乾燥をします。乾いたら、まずはシミの状態を見ます。ミートソースのシミです。帯は生地に厚みがあるので、完全に取り切れない場合があります。今回もお客様に帯の特性を説明し、シミが少し残る場合があると了解を得て染み抜きクリーニングをしました。手で少し触ったり、目でシミを観察してみますとミートソースのシミが生地にあまり、浸透していなかった様です。クリーニング洗浄機と洗剤とバキュームを使い、手際よく、瞬時にシミを落としました。綺麗にシミを取る事が出来ました。
事例11. 食べ物の油クリーニング
着物の右袖下に付いた小さなシミです。クリーニング溶剤とブラシを使って軽くシミを触ってみました。すると、シミに反応がありました。シミが薄くなりました。なので、もう一度クリーニング溶剤を使ってシミを取ってみました。今度はクリーニングソープをシミに塗って、そのシミをブラシで2~3度、ブラッシングして見ました。綺麗にシミが跡形も無くなっています。食べ物の油のシミです。着物全体に油が飛んでいるかも知れません。。下洗いで、衿・袖口・裾を石油系クリーニング溶剤とクリーニングソープで洗い、後、他のこの着物に付いている油のシミもこのソープをシミに塗り、ブラッシングして洗い、着物全体もドライクリーニングをしました。
事例10. デミグラスソースのクリーニング
子供用女児初着着物です。クリーニングと染み抜きの相談で私共のところへ持って来られました。デミグラスソースのシミです。クリーニングの処理の仕方は油分、水分、たんぱく質、を順に落としします。今回はもう、当分、着用しないので着物全体をドライクリーニングしました。子供は元気に動き回りますので、結構着物を汚しています。なので、念入りに洗いました。まず、油分のシミを取り除き、次に水溶性のシミをひとつひとつ、洗剤と水を使い、シミを落とし、たんぱく質も酵素クリーニングで処理しました。染みぬきの作業中に注意しなければいけないところは、このお着物自体が絞り技法、刺繍技法を使って模様を表現しているので、クリーニングや染み抜きの際に、絞りの風合い、刺繍の凹凸を損なう事のない様に気を付けて染み抜き作業しました。
事例9. チョコレートムースのクリーニング
白地の濡れ描き染めの訪問着です。水彩画の絵の具を使って描いたような斬新な昭和以降の染めの技法です。花の模様にチョコレートムースのシミが付いています。シミが付いたら、焦って慌ててシミを取ろうとしてはいけません。綺麗な乾いた布で上から軽く押さえて下さい。それを2~3回して応急処置をして下さい。そんな処理の仕方をお勧めします。チョコレートムースの成分は油分、たんぱく質です。クリーニングの方法はまず、油分をクリーニング溶剤とクリーニングソープで落とします。そして、一度、軽く乾かし、次に洗剤とクリーニング洗浄機を使って水溶性のシミを落とし、念のために 今回は乳製品なので、たんぱく質を酵素クリーニングと洗浄機を使い、分解しました。やはり、花の絵柄の中にシミが付いているので、あまり溶剤を広範囲に使わないように、あまり、柄を布なので擦らない様に注意しながらクリーニング作業を行いました。
事例8. トンカツソースのクリーニング
成人式に着用された白っぽい振袖です。色の濃いシミが付けばよく分かります。シミが茶色なので、古いシミにも見えますが、このシミは付いてそんなに時間は経っていません。トンカツソースのシミです。上前身頃にこのシミは付いています。よく目立つところなのに、ご本人はシミが付いたことに気付かなかったようで、ハンカチやおしぼりで応急処置をした、形跡がありません。不幸中の幸いです。振袖の生地が傷んでいません。(一般の方が、シミを拭いてしまいますと生地同士が擦れて、振袖の生地が傷んでしまいます。そうなるとシミは綺麗に落とせても生地は綺麗には直りません。)綺麗にシミを取ることが出来ました。クリーニング方法は石油系クリーニング溶剤でシミをブラッシングして、残りのシミは洗剤と水を使い、綺麗にシミを落とします。
事例7. 25年前の古い食べこぼしのクリーニング
古い食べこぼしのシミです。シミ自体の色が茶色く変色しています。私共のホームページをご覧頂き、ご相談を頂きました。ご本人様が25年ほど前に成人式や結婚式に着用された振袖です。20年前に着用してから、今までタンスに仕舞い込んでいました。思い出の着物です。先日、タンスの整理の為、着物を出したところ、あちらこちらにシミがあり、ご自分でベンジン等を使い、染み抜きをしてみたけれどシミは落とせず、このお母様に買って貰った愛着のある大切な振袖を綺麗にして、娘様に譲りたいと相談を受けました。写真の糸印で囲った部分が、25年前に付けた食べ物のシミです。シミは時間が経つとどんどん変色します。今回のクリーニングの処理ですが、シミの部分をクリーニングソープとクリーニング溶剤で処理、着物全体をドライクリーニング、水溶性の洗剤と水でクリーニング洗浄機で洗い、たんぱく質を酵素クリーニングし、残ったシミは漂白剤で薄くしたのですが、色も抜かないとシミが取りきれなかってので、少し色を抜き、色が抜けたところを地直し筆で色を差し、地直しして完成です。
事例6. 醤油のクリーニング
醤油のシミが付いています。醤油のシミと分かっていても、クリーニングする工程は、変わりません。まずは、やはり石油系の溶剤とクリーニングソープを使います。そして、油性のシミの成分を取り除きます。基本通りにします。シミを『このシミはこんなシミに違いない』と思い込んで染みぬきの作業を行いますとそのシミがもし、違うシミであったならば、綺麗に取れるシミもとれなくなることもあります。なので、基本を忠実にクリーニング工程を行います。油性の染みぬきの作業が終われば、次に水溶性のシミを成分を取ります。今回はまだ、シミが残っています。たんぱく質を取り除く、酵素クリーニングを少し時間を掛けて、クリーニング作業をしました。着物地が白っぽいので、入念に作業を行ないました。
事例5. スープのクリーニング
沖縄の後染めの着物、琉球紅型の着物です。京都にも京紅型の着物がありますが、同じ系統の着物です。大変、高価なお着物になります。着物で外食されて付けてしまった食べ物のシミです。柄に隠れてシミが付いているのが分かり難いです。今回のクリーニングの方法ですが、一様、着物全体をチェックしましたが、この衿以外にシミが見当たらないのと、まだ、何度かこのお着物を着る予定があるということなので、着物全体を洗うドライクリーニングはしませんでした。まずはこの衿のスープのシミを石油系溶剤とクリーニングソープを使い、ピンポイントで染み抜き作業を行ない、今度は水溶性のシミの成分を洗剤とクリーニング洗浄機を使い、落としました。そして、衿の部分を触って、シワが付いてしまいましたので、平コテでこの衿の部分を仕上げしました。
事例4. 中華料理のクリーニング
結婚式の披露宴で袖に付けたシミです。黒留袖の右の後袖口と家紋(紋名 五三の桐)の回りにも付いています。円卓の食べ物を取ろうとして手前に取っていた食べ物に知らず知らずに付く場合があります。そんなシミです。中華料理のとろみのソースのシミです。着物地が黒地なので、よく目立ちます。ハンカチやおしぼりでシミを拭いていません。クリーニングをしました。少し指先で触ってみました。シミはもう、乾いていて、固く白くなっています。片栗粉の入ったソースのシミです。クリーニングの工程は、着物全体をドライクリーニングして、着物に付いている食べ物や食べ物以外の汚れとすべて落とし、次に水溶性のシミを洗剤と水を使いシミを取り、そして、、ドライクリーニング用のアイロンを使い、生地をいろいろと触りましたのでプレスクリーニングをして直しました。
事例3. アイスクリームのクリーニング
琉球紅型の訪問着です。上前の衿元にクッキリと食べ物のシミが付いています。アイスクリームのシミです。よく目に付くところにシミがついていますが、幸いにもハンカチやおしぼりでシミを拭いていないようです。なぜ、幸いなのか?着物地が傷つかなかったからです。ハンカチやおしぼりでシミを拭いてしまいますとハンカチやおしぼりの生地と着物の生地が生地同士、擦れて生地が傷んでしまうからです。クリーニング業をしていますとシミは綺麗に落としているのに生地が傷んでシミが残って様に見える!やはり残念にですね。高価な着物なら尚更です。この衿の汚れのクリーニング方法は、石油系のクリーニング溶剤とクリーニングソープを使い油性のシミの成分を除去し、次に洗剤と水を使い、水溶性のシミの成分を取り除きました。アイスクリームですのでたんぱく質の成分を念入りにクリーニング洗浄機を使い落としました。
事例2. ビール、ジュース、ドレッシングのクリーニング
色留袖に飲み物と食べ物のシミが付いています。結婚披露宴に出席の際につけてしまいました。幸いにもシミを付けてすぐに弊社に送って頂きました。綺麗にシミの跡形も無く、取れているのが分かって頂けると思います。付けてすぐのシミは本当に綺麗に取れます。1行目のシミはビールやジュースなどの飲み物のシミです。2行目以降は食べ物、サラダのドレッシングのシミです。今回の色留袖のクリーニングの工程ですが、まずは着物を着用した後ですので、着物のどこに汚れが付いているがチェックしてもしきれないですし、水溶性の飲み物のシミなら乾いて見えにくくなっています。なので着物全体をクリーニングします。その後、天日の陰干しで数日間、着物を乾かし、次に染みぬきクリーニングをします。残ったシミは水溶性のしみ、たんぱく質がほとんどです。残ったシミをひとつ、ひとつ、手作業でクリーニング用の洗剤、クリーニング機を使って取りました。
事例1. 食べ物の染みクリーニング
今回の事例は、カジュアルな紬着物に食べ物をこぼして、シミになってしまった事例です。お友達と食事に行かれた時に付いてしまいました。すぐに私共のところに送って頂き、染みぬきクリーニングをしました。イメージ的に着物にベッタリと生地の上に付いている印象です。シミを指先で触ってみますとシミは乾いていて、少し固くなっています。着物全体にシミが散っていますが、メインのシミを指先を使ってほぐしました。シミの種類によって、クリーニング溶剤で染みぬきの処理をする前にします。こうする事によって、生地を傷めず、短時間で取るようにします。染みをほぐした後は、クリーニング溶剤とクリーニングソープを使って、染みを落としました。水溶性の成分も洗剤と水を使い、食べこぼしの染み抜きをしました。